腎癌の記憶
2011年5月2日(月)
他人の闘病記を読む際には、その人が何者であるかをまず知ることが必要です。
男性か女性か、老年か青年か、太っているか痩せているか、どんな生活をしている人か...などなど。
同じ癌であっても性別によって生存率が違ってきますし、年齢によって治療内容も異なることがあります。
その人の健康状態や持病の有無によって手術後のケアの仕方も変わってきます。
そして一番重要なのは、その人がどの程度癌が進んだ状態で発見されたかということです。
これによって医者の対応が全く変わってきます。
闘病記を書いた人の状態と自分の状況を照らし合わせながら、その人の体験が自分にどこまで当てはまるかを念頭に置かないと、折角の闘病記も参考にはなりません。
いつ治療を受けたものかも非常に重要です。
検査や治療方法は5年も経つとかなり変わっています。
一番怖いのは、当時是(ぜ)とされていた治療が、現在は非(ひ)とされていることがあるかもしれないことです。
腎癌では抗がん剤を使うことはありませんが、他の癌では少し前に夢の新薬と言われた抗がん剤が思わぬ副作用で現在は使われていないというのが結構あります。
また、腎癌でもほんの少し前まで再発予防のために頻繁に使用されていたインターフェロンやインターロイキンは、その効果が無いことが分かって現在は使用されません。
検査においても同様のことが言えます。
検査技術は数年前から著しく進歩しています。
したがって、必要な検査項目やその手法も進化しています。
以上のような理由により、自分のプロフィールや病状・時期を明らかにしていない闘病記は単なる日記の公開に過ぎず、同じ病気で悩む人の力にはなれません。 ここでは、そうならないよう心がけたいと思います。
先ずは私の基本仕様を紹介します。
年齢:50歳 性別:男
身長:160cm 体重:58kg BMI:23
職業:機械設計エンジニア(デスクワークが主体)/週末は整体師
住居:自宅は東京都だが群馬県に単身赴任中
健康状態は以下の通りです。
血圧:やや高めで「正常高値」(収縮期が約130mmHg/拡張期が約80mmHg)
脂質:LDLコレステロールが正常値ぎりぎり(約120mg/dl)
HDLコレステロールと中性脂肪は異常なし
その他、血糖値・肝機能・心肺機能等は全て異常なし
腎機能は重要ですので、2010年12月の検査結果を載せておきます。
項 目 | 基準値 | 検査結果 |
---|---|---|
尿素窒素 | 8〜23 mg/dl | 22 mg/dl |
クレアチニン | 0.60〜1.10 mg/dl | 0.99 mg/dl |
尿 酸 | 0〜6.9 mg/dl | 6.0 mg/dl |
CRP | 0〜0.50 mg/dl | 0.07 mg/dl |
尿蛋白定性 | (-) | (-) |
尿潜血反応 | (-) | (-) |
その他の項目として、以下も重要です。
嗜好:非喫煙(過去もなし)・飲酒は毎日ビール500〜1000cc
既往症:ギランバレー症候群(30歳)・頚椎症(45歳)
そして病名は右腎細胞癌、病期分類は T1a,N0,M0 です。 これについては次章「発覚」で詳述します。
2011年5月2日(月)