腎癌の記憶
2011年11月11日(金)
手術後、身体が回復するのにどのくらい時間がかかったかを以下に記します。
(1) 仰向けに寝て両足が挙げられる=1ヶ月後
手術の2、3日後には仰向けに寝て片足を挙げられましたが、両足を挙げようとすると全く持ち上がりませんでした。
片足だけを挙げるときは大腿四頭筋しか使われませんが、両足を同時に挙げようとするとさらに腹直筋が使われます。
「手術」の最後にも書いたように手術後しばらくは腹筋に力が入らない状態が続きました。
仰向けに寝た状態で両足を持ち上げられるようになるには、約1ヶ月かかりました。
(2) 体幹を思い切り捩っても痛みが無くなる=1ヶ月後
左欄の写真(マウスを重ねると拡大します)に示したように、右の横腹に3箇所と正面に1箇所、術創(手術による傷)があります。
最初は体を左右に捩ると痛みが出ましたが、痛みは徐々に小さくなっていき、捩れる範囲もだんだん大きくなっていきました。
痛みが無くなるのは意外と早く、1ヶ月程度で思い切り捩っても何ともなくなりました。
(3) 体幹を思い切り反らせても痛みが無くなる=2ヶ月後
横腹の3箇所の術創は腹腔鏡のための小さなものですが、正面の術創は最後に腎臓を取り出すためのもので、縦に4cmの大きさがあります。
しがって、体を後ろに大きく反らすとこの傷が引っ張られて痛みが出ました。
思い切り反らせても痛みが出なくなるまでには、身体を捩れるようになってからさらに1ヶ月かかりました。
(3) トレーニングをしても痛みが出ない=2ヶ月後
腕立伏せをすると最初は何ともないのですが、次第に傷のところが痛くなってきます。
腹筋も最初の数回は何ともありませんが、回数が増えてくると痛みが出てきました。
このようにトレーニングの負荷が高くなると痛みが出てきていましたが、痛みが出なくなったのは2か月程度過ぎてからです。
(4) 腹斜筋のトレーニングをしても痛みが出ない=4ヶ月後
トレーニングをしても痛みは出なくなりましたが、負荷をかけて身体を捩る腹斜筋のトレーニングだけは、いつまでも痛みが無くなりませんでした。
腹斜筋に負荷をかけても痛みが出なくなるにはもう2カ月かかりました。
(5) 体幹に完全に力が戻る=4ヶ月後
さまざまな運動において以前(手術前)のような動きができません。
筋力が衰えたからかなと思っていたのですが、体幹に力が入らないのが原因でした。
体幹に力が入るようになって、以前のようなパフォーマンスを取り戻せるようになるには手術後4ヶ月を要しました。
身体への侵襲が小さいと言われる腹腔鏡を使用した手術でも、完全に傷が癒えるまでにこれだけかかりました。 開腹手術であったなら...と思わないでもありませんが、実際に開腹手術を受けられた方の話を聞いたことはありませんので、何とも言えません。
手術から半年経過した2011年10月19日(水)にCT検査を受けました。
対象は胸部・腹部・骨盤内で、手術前の検査と同様に造影剤を使用して撮影しました。
その後、11月11日(金)に検査結果を聞くための診察を受けました。
そのときに「次回は半年後で、その後は1年に1回同様の検査を続けていく」と、初めてフォローアップの説明がありました。
これまで説明が無かったのは、最初の診断結果を待っていたのでしょうか?
いずれにしろ、今後の長期に亘る計画が見えました。
と同時に、このあと何年も--いや一生「癌」という厄介な代物と、主治医の言う「どうしようもない」つき合いをしていく覚悟を、改めてさせられました。
つい先日、ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんが、血液一滴から癌や生活習慣病などを早期診断できる方法を発明したと報道がありました。
ひょっとしたら、何年か後には私もこの検査を受けているかもしれませんね。
我々が生きている間に癌が無くなることはないでしょうし、高齢化に伴って癌患者は増え続けるでしょう。
しかし、技術の進歩は確実にリスクを減らす方向に働いています。
明日は結婚記念日です。
妻にはずいぶん心配をかけました。
これからも何度も何度も結婚記念日を迎えられますように。。。。。
2011年11月11日(金)