あれから

2021年11月3日(水)

術後定期健診

  手術してから、10年と半年が経過しました。 この間の定期検診は毎回同じ、胸部・腹部・骨盤内の造影剤CT撮影でした。 基本的には1年に1回で、実際の受診日は以下の通りです。 また、造影剤を入れたときの様子も併記しました。

• 2011年10月19日(水) 両耳がほんの少し暖かくなる
• 2012年 9月10日(月) 両耳と首すじがほとんど分からないくらい暖かくなる程度
• 2013年 6月20日(木) 左手がほんのり暖かくなった程度
• 2014年 6月23日(月) 両掌と首すじがほんの少し暖かくなった程度
• 2015年 6月19日(金) 左耳が熱くなり顔面も暖かくなる
• 2016年 7月 1日(金) 全く自覚なし
• 2017年 8月 9日(水) 左耳がほんのり暖かく全身もほんの少し暖かくなった
• 2018年 9月11日(火) 耳の後ろと背中がほんのり暖かくなった
• 2019年 9月14日(土) 全く自覚なし
• 2020年 9月14日(月) (記録なし)
• 2021年10月27日(水) 首の後ろから背中上部がほんのり暖かくなった

  最後の検査のときに造影剤を入れる先生に「暖かくなる時と何も感じない時とあるのですが?」と聞いてみました。 すると「そう?」と言ってから、「毎回薬が違うからね。」という返答でした。 診療明細書では薬剤の名称も量も毎回同じでしたので、メーカーが違うのかロットの違いを言われたのかまでは分かりませんでした。

最後の診察

  2021年11月1日(月)に最後の診察を受けました。 CTの結果も異状なしで、主治医からは「これで卒業です!」と太鼓判を押されました。 「腎臓癌は5年以上してから再発することもあるので、10年間を目途に検査を続ける」と、6年程度経過したときに言われていました。 初診から10年10ヶ月の間、ずっと同じ主治医の先生に診ていただけのは幸運だったと思います。
  最後に10年間のお礼を言って診察室を出るときに、先生は立ち上がって慇懃なお辞儀をして送り出してくださいました。 恐縮すると同時に、「あー終わったんだなぁ」という思いが頭をよぎりました。
  診察後に、付き添ってくれた妻と「もう来ることはないから」と、病院内のスタバでコーヒーを飲んでから帰宅の途に就きました。

10年の間に

  慶応義塾大学病院は医学部開設100年記念事業として病院の改築工事を進めていましたが、10年の間に改築工事もほとんど終わり、院内がすごくきれいになりました。 システムも簡素化され、診察代の精算もあっという間に終わってしまいます。 その代わり、予約時間が厳密化されて早く行っても予約時間にならないと受付もしてもらえなかったり、「〇〇さん△番へどうぞ」というアナウンスも聞こえなくなり、少し寂しい気もします。 以前は、妻と診察の順番を待っている間「今日の先生は声が軽やかだね」とか「今日はぶっきらぼうだね」と話していたのも、懐かしく感じます。
  また、変わったのは建物だけではなく、手術技術も進歩しています。 ダ・ビンチなどの手術ロボットを使った「ロボット支援手術」が主流になりつつあります。 より安全で確実な手術が受けられるのは喜ばしい限りです。 私がこのホームページに書いている「最先端の医療」も、10年も経つと古いものになっています。 やはり、常に新しい情報と知識を持って医者と対峙するよう心掛ける必要を感じざるを得ません。

  これまでにホームページをご覧になった何人かの方から、メールを頂戴しました。 自分も腎臓癌になってどうしようかと思っているという方や、夫に腎臓癌に見つかり途方に暮れているという方など、いろいろな方がいらっしゃいました。 何度かメールをやり取りした後、連絡が途絶えてしましたが、きっと皆さんお元気に過ごされていることと信じています。

  昨年会社を定年退職し、今年から新しい仕事を始めました。 何歳まで働けるか分かりませんが、まだまだ頑張れる限りは頑張ります!!!!!

2021年11月3日(水)